「いきなりキャッチボールをやらせないで」少年野球日本一の監督が勧める初心者指導
フライは体の正面で捕球させず「よけながら捕る」
まずは、投げ方。辻監督は右利きの子どもたちには「右手でボールを持って、そのまま頭。ステップ、ステップ、そのまま真っすぐドーンと投げる」と伝える。大切なポイントをシンプルな言葉で説明。1人1人の腕の位置やステップの仕方をチェックしながらアドバイスし、上手くできた時には「すごい」「今のは完璧」などと声をかける。
捕り方を教える時は、地面に落ちているボールをグラブで拾ったり、子どもがグラブを構えているところに柔らかいボールを下から投げたり、段階を踏んでいく。フライの練習は、柔らかいボールを使ってマシンや手で上げる。
大切なのは、体の正面で捕球させないこと。野球を始めたばかりの子どもたちにとって、自分に向かって落ちてくるボールは怖い。顔に当たったら恐怖心が芽生える。辻監督は「最初は、よけながら体の横でキャッチするように伝えています。フライを捕るのは空間認知能力が必要なので、フライをキャッチできれば自然と打撃もできるようになります」と語る。
野球の楽しさを知った子どもたちは、驚くようなスピードで成長していくという。体格に恵まれた選手や運動能力の高い選手がそろえば、どんなチームも突出して強い年がある。毎年のように全国大会で上位に進む多賀少年野球クラブの強さの理由は、初心者の指導方法にもある。
(間淳 / Jun Aida)
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