中学校の“改革”で注目される「部活動指導員」 成功のカギ握る顧問との役割分担
部活動指導員が年間計画を作成、顧問は客観的アドバイスを送る
福島:主に指導するのが部活動指導員の家城さんであっても、顧問は教員になると思います。どのように、教員との役割分担や連携をしていますか?
家城:練習の指導はもちろんですが、年間の活動計画や1か月の予定も私が作成しています。練習試合を組む時には、相手校の顧問に連絡して調整しています。学校側の協力と理解を得て、任せてもらっている形です。監督は私が務めていて、顧問の先生には学校との調整や部を客観的に見ていただき、アドバイスをお願いしています。顧問の先生は業務が多くて時間が合わず、話ができない歯がゆさを感じる時はありますが、頻繁に話をしています。個々の生徒の学校での様子を踏まえて、どのように部活動で関わっていくのか一体感を持てるように、部活での様子をまめに伝えるようにしています。
家城さんのように平日も指導し、顧問と役割分担ができていれば大きな問題は起きない。学校現場が懸念しているのは、国が想定している「平日は教員、土日は部活動指導員や外部コーチなどへの委託」で部活を運営するケースだ。
福島:教員と外部の指導員の考え方が一致するとは限りません。お互いにポリシーや責任感があれば、指導の一貫性が危惧されます。そうなった時、子どもたちは迷ったり、困ったりします。
家城:平日は先生方、土日は外部指導員というのは、現場を知らない人の考え方だと感じます。複数の指導者がいたら、子どもたちはどのように感じるのか。これは非常に大きな問題になると思います。先生方の部活の負担を減らすのが目的であるならば、平日も主に部活動指導員が担当して、顧問はフォローする形の方がスムーズにいくと個人的には感じています。