中学校の“改革”で注目される「部活動指導員」 成功のカギ握る顧問との役割分担

土日のみの部活動指導員には難しさ、責任の所在にも課題

 さらに、家城さんは外部指導者の担当を土日のみにすると、結果的に顧問の労働時間が増える可能性も指摘している。部活動指導員は子どもたちの学校の様子が分からない。子どもと接する時間が少ないほど、顧問への相談は増える。

家城:部活指導員に知識や経験、子どもに関する情報が少なければ、顧問の先生を頼らざるを得ません。連携を深めるために、先生方の残業が増えるのではないかと感じています。土日に休んでいても事故があったら呼び出されますし、普段も勤務後に部活指導員の連絡を受ける頻度が高くなると思います。

福島:最終的な責任は学校側になると思いますが、部活動指導員がどこまで責任を負うのかも問題になります。指導する場合には責任感が必要ですが、責任の所在が部活指導員のような形になってしまうと、やる気があっても踏み切れない原因になりかねません。野球が好き、子どもたちに教えたいと思っても気軽にできないところが難しい部分です。部活が外部指導員や地域に移行していくこと自体は良いと思いますが、果たして本当にうまくいくのか心配しています。

家城:部活動改革が、先生方の働き方改革という目的だけで終わってしまうのは非常にもったいないと思います。シニアやボーイズとは別の選択肢として部活が示されるのが理想です。子どもたちが中学生になった時に、体力や野球への考え方、家庭環境などによって自分に合った選択をできるようになってほしいです。今回の部活動改革が、そのきっかけになるよう、どんな方法なら問題や課題を解決できるのか、教育現場の方々と考えていければと思っています。

<第2回は部活動指導員の選考方法について>

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