「部活動指導員」に求められる資質とは? 顧問に代わる人材登用の課題と問題点
重要な“適性”の見極め「指導者としての価値観や人間力を採用の基準に」
部活指導員や外部コーチのような、顧問に代わる人たちを集められなければ部活を存続させることが難しくなる。外部指導者の「数」と同時に直面するのが、「質」の問題。教育委員会や学校など、どの組織がどのように希望者の適性を見極めるのか、部活動改革を進める国からは示されていない。
福島:競技の指導と教育的な指導、どちらもできる人を学校で選ぶのは難しいと思います。野球競技であれば、野球の団体や組織を中心にして学校関係者を加えて、適任かどうかを判断するのが良いと感じています。部活指導員を登録する人材バンクを運営する団体創設が現実的です。
家城:色々な方法があると思いますが、学校による面談は1つの方法だと思います。校長先生は適性を見極める力があるのではないでしょうか。それから、どんな指導をしたいのかレポートで提出させれば、指導方針や子どもたちへの思いを確認できます。大事なのは生徒の自主性を育むことであり、そのためには生徒は1人1人違うと理解している指導者。野球であれば、打ち方は10人いたら10人違います。指導者の好きな打ち方を子どもに押し付けるような方法は、仮に知識や技術があっても、部活動指導員には向いていません。指導者としての価値観や人間力を採用の基準に設けてほしいです。
部活動指導員の確保は、部活の存続に直結する。指導者がいなければ部活はできない。外部指導者の人数を確保するだけでも難しいにもかかわらず、「質」に問題があれば部活に入る子どもたちは減る。地方には、都市部にはない問題もある。
家城:東京だと学区外から越境できます。私が部活動指導員をしている三鷹市では、二中には野球部がありますが隣の中学校にはありません。その学区にいる子どもたちが野球をやりたかったら二中の野球部に来れるんです。おそらく今後、中学校の部活は統合する流れになると思います。2つ、3つの中学校で1つのチームになれば、指導者の数は抑えられます。
福島:それは都心だから講じられる策かもしれません。地方の場合、田舎に行けば行くほど、隣の中学校といってもかなりの距離があります。別々の中学校が合同で部活動をするのは簡単ではありません。参考になる部分は取り入れながら、事情に応じた方法を見つけなければなりません。
<第3回は部活動指導員の報酬と予算について>
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