球速60キロの打撃練習で130キロ速球を打てる 2度の全国準V、中学野球部監督の指導法

130キロに対応するために、60~70キロを打ち返す練習を繰り返す
130キロに対応するために、60~70キロを打ち返す練習を繰り返す

時速60~70キロの“遅球”を打つ練習で「間」の作り方を身に付ける

 東京・江戸川区にある上一色中学軟式野球部は、最近5年間で2度の全国大会準優勝を誇る。チームの持ち味は打力。130キロの直球に対応するために、球速60~70キロの緩い球を打ち返す練習を繰り返す。

 上一色中学校野球部を率いる西尾弘幸監督は、指導者になって今年で34年目になる。従来の考え方に固執せず、新しい知識や指導法を常に模索している。その中で15年ほど変えていない練習の1つに、球速を60~70キロに設定したマシン打撃がある。

「効果を実感しているので、ずっと続けています。遅い球を打ち返す練習は、打撃に必要な『間』を作り、投球とのタイミングを合わせる感覚を身に付ける狙いがあります。『間』を作らずにバットを振っても打球が飛びません。速い球で練習するとバットに当てようとする意識が強くなり『間』を作るのが難しくなるので、遅い球で練習しています」

 西尾監督はマシンを打者から15メートルほど離したところに設置する。投手がリリースした位置からホームベースまでの距離を想定しているためだ。中学生の軟式野球では、全国レベルの投手になると球速が130キロに達する。「間」を作って60~70キロの球を打てるようになると、130キロの直球にも十分対応できるという。

「間」が取れると「自然と速い球が打てるようになる」

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