球速60キロの打撃練習で130キロ速球を打てる 2度の全国準V、中学野球部監督の指導法

東京・上一色中の西尾弘幸監督【写真:伊藤賢汰】
東京・上一色中の西尾弘幸監督【写真:伊藤賢汰】

「間」が取れると「自然と速い球が打てるようになる」

「プロでも遅い球をじっくりためて打つ練習をしています。実は距離を取って緩い球を打つのは、速い球よりもタイミングを合わせるのが難しいんです。ヒットになるかは別にして、速い球の方がタイミングを合わせるのは楽に感じるはずです。『間』を作って力強いスイングができるようになると自然と速い球が打てるようになりますし、変化球への対応力も上がります」

 近年の中学軟式野球は外角中心の配球が多いという。西尾監督は中学3年生に対してはコース別の打ち方も指導するが、それほど重点を置いていない。中学生世代に必要な技術や練習の精度を上げることを優先している。

「マシン打撃では打球方向を気にする必要はありません。コース別の対応も中学3年生なったら少し取り入れますが、中学2年生までは『間』を作って強い打球を飛ばす指導に力を入れています。打球方向やコースを気にすると打てなくなるケースが多いので、外角を右打ちしようなどと欲を出さずに甘い球をバットの芯に当てて強く打ち返すよう伝えています。中学生の年代は1つ1つのポイントを正確に身に付けることが大事で、高校以降の成長にもつながると思います」

 遅い球を打ち返す練習で、打撃で最も重要な要素の一つである『間』の取り方が身に付く。それは自然に速球対策に繋がる。

(間淳 / Jun Aida)

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