1万円で軟式用グラブを硬式用にリメイク 保護者も選手も喜ぶ新設シニアの取り組み

練習を行う多摩リトルシニア【写真:川村虎大】
練習を行う多摩リトルシニア【写真:川村虎大】

選手にも好評「軟式で使ったものを硬式でも使えて嬉しい」

 軟式用グラブを硬式球に対応できるように、主に強度と衝撃吸収性の向上(補強加工)を行う。使い慣れたものをアップグレードすることで、硬式球への対応もスムーズになる。最近の軟式グラブは素材が良いものも多く、要所をリメイクするだけで、容易に硬球に対応できるようになるという。

 保護者の負担軽減に加えて、子どもたちへの教育面でも好影響が期待されている。グラブを長く丁寧に使うことで、用具を大切にする気持ちや両親への感謝が芽生える。実際にリメイクしたグラブでプレーしている関谷圭祐くん(1年)は「ボールを捕った時に痛くないです。今まで軟式で使ってきたものを硬式でも使えて嬉しい」と喜んでいる。

 現在はRe-Birthの職人が選手のグラブを作り変えているが、チームでは将来的に選手が職人に教わりながら自らリメイクする取り組みも検討している。野球を通じて得られるのは、勝利の喜びや技術の向上だけではない。子どもたちは軟式用から硬式用に生まれ変わったグラブから、もっと大切なことを学んでいる。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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