選択肢は保護者、最終決定は子ども 「甲子園出場」を実現させた元燕左腕の進路選び

現在は1児の父、子どもにレールを敷き過ぎる保護者に警鐘

 久古さんは高校2年生の春に夢を実現させた。2003年選抜高校野球大会に出場。しかも、先発のマウンドに立った。初戦で愛工大名電高に0-1で敗れたものの、6回2安打1失点と好投した。高校の進路を自分で選んだのは、今振り返るとすごく大きな経験でした。将来と向き合って、大事な選択しました」。

 現役を引退し、今は1児の父として小学生の娘を育てている久古さん。保護者の役割を改めて考える時がある。「進路だけではなく、習い事なども含めて、子どもの将来を心配してレールを敷き過ぎるケースがあります。でも、子どもが自ら選択する機会を持たずに大人になってしまうと、他に良い選択肢があった時にレールを外れることを恐れて挑戦できなくなると感じています」。

 あくまで最終的に決断するのは子どもであって、保護者は選択肢や選択の基準を示すのが役割だと考える。成長には失敗や苦い経験も必要で、大人になった時に財産となるからだ。そして、父親としての自分にも言い聞かせるように話す。

「子どもが好きなこと、得意なことを見つける手助けをするのが親の役目かなと思っています。『あなたは、こう生きなさい』と伝えるのが一番のリスクです。子どもには子どもの人生があります。大人は子どもに期待しすぎてしまいます。自分も親になって気持ちが分かるので難しいところです」

(新保友映 / Tomoe Shinbo)

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