楽天・則本や多数の甲子園球児輩出 少年野球で分かる伸びる選手の“共通点”

練習を行う多賀少年野球クラブ【写真:間淳】
練習を行う多賀少年野球クラブ【写真:間淳】

楽天・則本は小学生時代から「頭を使う投手でした」

 まねをして技術を習得する。今年でチームを立ち上げて34年目となった辻監督が、「典型」として名前を挙げるのが楽天の則本。人の動きを分析して、自分の引き出しに変えていく力が突出していたという。

「則本は小学生の時点でプロに行くような運動能力ではありませんでした。チームでは全てのポジションを経験させますが、則本は投手以外のポジションでは目立ちませんでした。投手としても球速は90キロ台後半だったので、今のチームでは全国大会のマウンドには立てないかもしれません。ただ、お父さんの体が大きかったので、将来的には球速が上がると思っていました」

 多賀少年野球クラブは2018、19年に2年連続日本一を果たすなど、最近20年間、ほぼ毎年全国大会に出場している。現在のチームで主力の投手は球速が110キロを超え、当時の則本より20キロ近く速い。ただ、則本は制球力が抜群だったという。

「お父さんは野球経験者ではありませんでしたが、いつも則本の投球をビデオで撮影して、プロの投手と比較していました。すごく研究熱心な親子でした。球速はある程度、体の大きさに左右されますが、いい投手のまねをすればコントロールは磨けます。それに、則本は緩急をつけたり、相手の打ち気をそらしたり、頭を使う投手でした。人の動きを分析して、自分の技術として取り入れる力が、プロになれた理由だと思っています」

(間淳 / Jun Aida)

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