“時短”で選手に芽生えた自主性 「びっくりです」強豪中学野球部監督が明かす効果

東京・上一色中の西尾弘幸監督【写真:伊藤賢汰】
東京・上一色中の西尾弘幸監督【写真:伊藤賢汰】

上一色中・西尾弘幸監督「工夫すれば、4時間でもきっちりできる」

 全国大会の常連校である東京・江戸川区の上一色中学校野球部。新型コロナウイルス感染拡大の影響による練習の制限を受けてから、思い切って練習時間を減らした。西尾弘幸監督は短時間の練習が選手に好影響をもたらすと感じていた。

 上一色中学の野球部は、ロッテ3年目右腕・横山陸人投手、DeNAのドラフト5位ルーキー・深沢鳳介投手を輩出した強豪。少年野球の子どもや保護者に向けた技術向上プログラム「ターニングポイント」内で、西尾氏は8時間から10時間やっていた練習を、平日2時間、土日は4時間に減らしたことを明かした。

「練習環境を工夫すれば、4時間でもきっちりできるかなと思っています」

 長時間練習を行っていた当時、雨天の際は筋トレを行っていた。「『降れ、降れ』って雨乞いする子がいるんですよね」と苦笑いする。今では雨天時は休みにすることも多いそうだが、やむと同時に選手たちは自ら練習するという。「びっくりですよね。(短時間練習で)物足りない、もっとうまくなりたいって思いますよね。練習を長くやっている子は思わないですよね」と効果を語る。

「短い時間の練習は集中力が違います」。練習時間を減らしたことで、選手に生まれた“自主性”。「練習時間が長い」とされる野球だが、中学球界でも変わりつつあるようだ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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