会心アーチは「なまらうれしい」 道産子が放った豪快2発と好捕を導いた監督の助言
東16丁目フリッパーズは2回戦で大里シャークスに5-4で勝利
小学生の日本一を決める「高円宮賜杯第42回全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」は10日、東京・神宮球場などで2回戦が行われ、東16丁目フリッパーズ(北海道南)は大里シャークス(沖縄)に5-4で勝利した。3回の第2打席で左翼へ本塁打を放ち、勝利に導いた5番・松田来翔くん(6年)は「なまら(とても)うれしかったです」と北海道民独特の言い回しで、喜びを表した。
3点をリードした3回1死、松田くんがフルスイングした打球は、高く舞い上がり左翼へ。両翼70メートルに設置された“フェンス”を越えるかギリギリの打球だった。左翼手が精一杯手を伸ばしたが届かず、ボールは柵の向こう側へ転がっていった。
松田くんは南北海道大会決勝でもコールド勝ち決めるサヨナラ2ランを左翼へ放っていた。全国舞台での一発はやはり格別だったようで「(地区大会とは)レベルが違うというか、嬉しさの種類が違いました。全国という大きい舞台で打てたことはうれしかったです」と振り返った。
5回には4番・田中陽翔くん(6年)にも右翼ポール際に飛び込む柵越え本塁打が飛び出し、必死に食らいつく大里シャークスとの接戦を制した。田中くんは「1、2打席と打てていなかったので、神宮で1本打ちたいと思っていました。得意の内角高めにきたので『これだ!』と思って打ちました。最高です」と冷静に本塁打を振り返った。
2本のアーチが飛び出した試合に、笹谷武志監督は「ホームランは珍しい。考えてもいなかった」と大舞台で力を発揮した選手たちに驚いた様子。ただ、監督の狙いはまさにそこにあったようだ。
試合前には選手たちに「全国大会は自分の力以上の力を発揮できる場所にしないとだめだよ。そのためには頑張ってきたことに自信をもって挑むことだよ」と、伝えていたという。そんな監督の言葉を力に変えて2本の本塁打などで2回戦を突破。1点差に詰め寄られ、なお2死一、二塁のピンチを迎えた5回の守備では左翼手の中村一葵くん(6年)がダイビングキャッチ。窮地を脱した。大舞台に臆することなく勝利をつかんだフリッパーズナイン。次戦は、前年度優勝の長曽根ストロングス(大阪)に挑む。
(木村竜也 / Tatsuya Kimura)
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