「世界基準」で目指す共通のゴール 高校サッカーの名将も驚く野球界との“違い”
「上のレベルを目指せる人材を見落とさない仕組み必要」
トレセンでは練習の他に、指導者が選手と面談をする。個々の長所や課題を指摘して、日々のトレーニングに生かしてもらう。かつてトレセンの指導者もしていた山田監督は「トレセンに入っていなくても優秀な選手はいるので、トレセンが全てではありません。ただ、上のレベルを目指せる人材を見落とさないようにして、育成する仕組みは必要だと思います。トレセンの指導者たちも、選手が世界で活躍するために何が必要なのか、細かく分析して指導していきます」と説明する。
トレセンに集まった選手も指導者も高いレベルで切磋琢磨する。サッカーが盛んな欧州や南米では、各世代の有望選手を集めて強化している。日本も世界基準にならって、プロ化よりも前にトレセン制度を導入した。山田監督は、体が大きくても足元の技術が身に付いたセンターフォワードやセンターバックが日本に増えてきたのは、トレセンの成果の1つと指摘する。
「小、中学生の時は、体が大きければ高さやパワーで勝てます。ただ、それだけではなく、キックの精度が高くてボールを運べる選手、技術のある選手を育てようとしてきました。世界の良いところを取り入れる地道な作業から始まっています」