保護者と指導者は「一線が必要」 全国3位に躍進の少年野球チームが保つ大事な“距離感”

野球経験者の父親の助言は子どもを困惑させる可能性も

 仕事や家族構成といった事情によって、練習にひんぱんに顔を出せる保護者と、そうではない保護者には差が生まれる。監督が特定の保護者と親密になれば、保護者間の関係性がこじれたり、トラブルが発生したりする可能性がある。結果的に嫌な思いをするのは子どもたちなのだ。

 チームをスムーズに運営するには、保護者が子どもと一線を引くことも大事になる。野球経験者の父親は特に、子どものプレーや考え方に口を出してしまうケースが少なくない。だが、チームでの指導と父親の言葉に矛盾があった場合、子どもは戸惑ってしまう。斉藤監督は「グラウンドでは遠慮してほしいですが、自宅では保護者がある程度子どもに干渉するのは仕方がない部分はあると思っています。ただ、中には『コーチと取り組んでいることがあるから黙っていて』と父親に伝える子どももいます。それはそれで成長を感じて、うれしさがあります」と語る。

 子どもの成長を願うのであれば、近づきたい気持ちを抑え、一定の距離を取る選択肢を保護者は持っておいた方が良いかもしれない。

(間淳 / Jun Aida)

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