ノックで8本捕球より5本捕った選手を評価するワケ 選手を成長させる指導方針

上一色中などでトレーニングコーチを努める塩多雅矢さん【写真:伊藤賢汰】
上一色中などでトレーニングコーチを努める塩多雅矢さん【写真:伊藤賢汰】

トレーニングコーチ塩多雅矢氏のキーワード「きょうもうまくなろう」

 指導のキーワードは「きょうもうまくなろう」。首都圏中心の中学と高校合わせて約20チームの野球部をサポートしているトレーニングコーチの塩多雅矢さんは、守備や打撃でプレーがうまくいったという結果より、選手の意図を評価している。「説明する」「変化を認める」「チャレンジを認める」を3つを指導の柱とし、失敗から学ぶ練習環境をつくっている。

「選手の成長や改善が見られた部分を見逃さないようにしています。上手くいったかどうかの結果ではなく、選手が何をやろうとしたのか意図や意味を拾うことも大事にしています」。塩多さんはその日の練習で、選手たちが1つでも多くの知識や技術を吸収できる指導を心掛けている。

 例えば、内野ノックで10本の打球のうち、捕球した数が8本と5本、2人の選手がいたとする。重視するのは本数ではなく、捕球に意図があったかどうか。試合の場面を想定したり、自分の課題を意識して動いたりしているかを見る。

「8本捕った選手は、5本しか捕れなかった選手より上手いという評価はしたくありません。何も考えずに偶然捕球した8本より、意味のある5本を評価したいです。5本捕球した選手には捕れなかった5本にも練習の意味があり、1本も無駄になっていません。そこに上手くなるきっかけや成長のカギがあります」

失敗しても意図のある練習に上達や成長のきっかけ

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