子どもに「集中しなさい」は効果なし 専門家が少年野球で勧める正しい“声かけ”
ミスや観客を気にしている可能性 大切なのは「何に集中するか」の声かけ
子どもが集中力を欠き、試合で力を発揮できないと悩む少年野球の指導者や保護者は多い。ジュニアからプロまでメンタル面の指導をしているスポーツメンタルトレーニング指導士・筒井香さんは「集中しなさい」という声かけは効果が薄いと指摘する。打席で集中していないように見える選手の中には「不必要な集中」をしているケースがあるという。
――少年野球では、集中力の差で勝負が決まる時もあります。子どもたちが集中力を高める方法はありますか?
少年野球のグラウンドなどスポーツの現場では、「集中しよう」「集中していないぞ」という声が飛び交っていることが多いです。ただ、実際に起こっているのは、集中していないのではなくて、不必要に集中している時の方が多いと思います。保護者の方から「うちの子はゲームばかりしていて集中力がない」と相談される時がありますが、ゲームに集中できているわけで、子どもに集中力がないわけではありません。いつ、どこに集中するのかコントロールできていないだけと考えられます。
――不必要な集中とは、どんな状態ですか?
不必要な集中とは、例えば打席に入った時に前の回の守備のミスを考えたり、観客や指導者の目を気にしたりして、本来やるべきことに注意が向いていない状態です。個人差はありますが、打席でやるべきこと以外に意識が向き過ぎて、自分のスイングができなくなったり、サインを見落としたりしてしまいます。