投手より野手は“投げる負荷大”…捕手は1.5倍も 故障防止へポニーが取り組む兼任禁止

1球当たりの負荷は投手1に対し、捕手は1.5になるデータも

 実際にリーグ加盟の選手に対して、投球分析機器「モータス」で負荷を検証したところ、投手が1回投じる際の負荷を「1」とすると、捕手では「1.5」二塁手では「1.4」という数値が検出された。「検証段階ですが、捕手では二塁に送球する際に投げにくい体勢から送球することになります。二塁もそうですよね。投げやすいフォームから投げる投手以上に1球当たりの負荷は高まります」。

 そこで、ポニーリーグが取り入れているのは、“兼任禁止”だ。同一試合やダブルヘッダーが行われる際に、投手と野手の中では1球当たりの負担が一番大きい捕手を兼ねるのを禁止している。

 また、リーグを運営する日本ポニーベースボール協会の理事で、肘内側側副靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)の権威としても知られている、慶友整形外科病院スポーツ医学センター長の古島弘三医師の指導のもと、5月には、加盟している1000人以上の選手の肩肘検診を行った。これらのデータは、故障の疑いがある子どもたちが病院に行くきっかけだけではなく、今後の予防方針を定めることに用いられる。

 もちろん、二塁手や捕手と比較し、投げる回数が多い投手の方が、全体的に見れば負荷はかかる。しかし「障害は予防できる」と育成期の怪我を1人でも減らすためには、投手以外の肩肘の負荷を考える必要があるのではないだろうか。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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