フライの捕り方や盗塁成功の近道は? 来季NPBコーチの2人が子どもに残した“金言”

鈴木尚広氏(左)と森本稀哲氏【写真:荒川祐史】
鈴木尚広氏(左)と森本稀哲氏【写真:荒川祐史】

森本稀哲氏、鈴木尚広氏が野球技術育成プログラム「TURNING POINT」で見せた指導

 2022年シーズンが終わり、各球団の組閣が始まっている。日本ハムは来季から森本稀哲氏、巨人では鈴木尚広氏が外野守備走塁コーチに就任することが発表された。両者ともに野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の講師として登場。森本氏はフライが苦手な子の克服方法、鈴木氏は盗塁失敗から走塁の極意を紹介し、子どもたちの未来のため多くの金言を残してくれた。

 ともに現役時代にゴールデングラブ賞を受賞する守備力を持ち、数々の場面で好走塁を決めてきた。ただ順風満帆な野球人生だったわけではなく、苦労を乗り越えて、地位を確立してきたプレーヤーだった。未来を担う子どもたちのためになるならと、惜しみなく技術を公開してくれたあたりにも、選手思いで、寄り添える指導者になっていくことが想像できる。

 森本氏は外野フライの捕球方法として「グラブを出しながら打球を追わないこと」を説明。上体が上がって目線がぶれるためミスしやすくなる上、落下地点に到達するスピードが遅くなるため、捕球するまでの余裕がなくなることを理由に挙げた。森本氏は「不安なのでグラブを早めに出したくなりますが、落下地点までグラブを出さずに最後の最後に出すのが普通のフライを一番確実に捕るコツだと思います」と解説した。

 盗塁のスペシャリストとして通算228盗塁をマークした鈴木氏は「盗塁に足の速い、遅いは関係はない」と言い切り、そこまでの過程が大事であることを強調。走る技術だけでなく、心構え、思考、準備の方法などをたっぷりと紹介。「走塁で失敗ばかり。自信もなくなっていった」鈴木氏が取り組んだのは観察と分析。自分主導で走るコツを手に入れたことが成功につながったと解説した。

 成功の階段を昇るきっかけは、失敗から何を得るかが重要。当たり前と思われていることを当たり前にこなせるのが、プロのすごさの1つでもある。名手たちが大切にした基本は、少年野球の子どもたちにも通じること。それを感覚ではなく、わかりやすく言語化して伝えることができる。2人のスペシャリストはユニホームを脱いでいる間、多くの未来ある選手たちに野球指導を行ってきた。2人の活躍が、子どもたちの未来にもつながることを願いたい。

(First-Pitch編集部)

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