身長170cmでも160キロが可能に 怪我せず球速を上げる投球フォームとは?

脚を上げた際の膝の高さやステップ幅が球速に関連しているという

 今回の研究の結果では、ワインドアップのときの膝の高さと球速が関連していたと報告しています。振りかぶった時に大きく脚を上げた投手の方がより球速が速かったということになります。

 また、振りかぶった後に足を着いた際のステップ幅が広く、ステップ足の股関節と膝が深く曲がり、体幹が前傾していた投手の方が球速が速かったと報告しています。このことから、立ち投げのような形で投げるよりも脚を大きく踏み出し、深く沈み込むような姿勢で投げた方が球速が速くなるフォームということになります。

 さらに、この研究では骨盤と肩の回転運動の分離が重要であると述べられています。つまり、投球動作中に骨盤と肩が一緒に回転していくのではなく、骨盤が回転した後に肩が回転していたピッチャーの方が球速が速かったと報告しています。この骨盤と肩の回転の分離ができていることで約4キロ球速が速かったそうです。

 この結果から勘違いしてはいけないことは、今すぐにステップ幅を大きくすれば球速が速くなるというわけではありません。下半身の強さや股関節の柔軟性が獲得された結果としてステップ幅が伸びる、股関節や膝関節が深く曲がって沈み込んでも耐えられるフォームになると解釈してください。冬の間にしっかりとトレーニングをやってみましょう。春には球速がアップしているかもしれません。

▼参考文献
※1 Sgroi T et al. Predictors of throwing velocity in youth and adolescent pitchers. J Shoulder Elbow Surg. 2015, 24(9), 1339-45.

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(Full-Count編集部)

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