遅刻も休みもOK…長靴で練習試合にも“理由” 日本一3度の少年野球チームが疑う常識

ユニホーム以外で練習OK 長靴で練習試合は保護者の負担軽減が目的

 少年野球の常識に捉われないスタイルは服装にもある。夏場はTシャツに短パン姿で練習する選手も多い。辻監督自身もユニホームは着ない。さらに、雨が降った翌日の練習で地面が柔らかい時は、長靴を履いて練習や練習試合を行う時もある。辻監督は「保護者の負担軽減」と説明する。

「スパイクが濡れた時に汚れを落とし、新聞紙を中に詰めて乾かすのは保護者の仕事です。雨上がりは長靴にすればいいと思いました。練習試合の時は相手チームに『地面が乾いたらスパイクに履き替えるので、長靴でスタートするのをお許しください』と伝えています」

 いきなり長靴でプレーするのは難しいため、選手たちは長靴で動く練習をしているという。その他にも指導者が選手にサインを出さないノーサイン野球や、必要のない声は出さないスタイルは、少年野球の常識を覆す。一部から疑問の声が上がるが、多賀少年野球クラブは全国大会の常連で日本一の経験もある。競技人口の減少が叫ばれる中、メンバーは約100人まで増えている。

「上から教え込まれた人から見たら、非常識に映るかもしれません。ただ、今まで当たり前にやっていたことが不思議に感じることはあります。野球の常識を疑うことから始めると、可能性が広がると思います」と辻監督。選手が野球を好きになり上手くなる方法を探し続けている。

(First-Pitch編集部)

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