バントもサインもなし…中学生なのに木製バット 異色チームが求める“究極のゴール”とは
高校でアドバンテージ 低反発バットへの移行を“予言”
木製バットは練習でも公式戦でも、全ての選手が使っている。小、中学生では主流となっている複合バットよりも価格が安く、精度の高い技術が身に付くという。高校野球では2024年春から低反発バットへの移行が決まっているが、江藤監督はチームを創設した時から遠くない将来、バットのルールは変わると予想していた。
「木製バットは強くスイングできないと、軟式球を遠くに飛ばせません。中学生のうちに道具の力を借りずに練習しておけば、高校に入って金属バットで硬式球を打つのは苦労しないと考えました」
チームに入ったばかりの頃は木製バットに戸惑っていた選手もいるが、使っていくうちに慣れてくるという。「道具に頼らない」考え方も理解し、自分の技術で結果を出す意識も芽生える。木製バットでも芯に当たれば十分な飛距離が出るため、試合で柵越えを放つ選手もいる。
チームは創設2年目の2020年に公式戦初勝利を挙げ、昨年は県内のクラブチームが参加する大会で準優勝。今春は中学の部活も参加する「第四北越銀行杯旗争奪新潟県少年野球大会」の地区予選で優勝し、初めて県大会に出場した。ノーサインで木製バットを使う異色のチームは、結果でも存在感を示しつつある。
(間淳 / Jun Aida)
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