勝敗を背負わないで…川崎宗則が子どもたちに伝える“リセット術”「野球はやめてもいい」

くら寿司トーナメントで始球式のマウンドに上がった栃木ゴールデンブレーブス・川崎宗則【写真:宮脇広久】
くら寿司トーナメントで始球式のマウンドに上がった栃木ゴールデンブレーブス・川崎宗則【写真:宮脇広久】

ブルージェイズ時代に監督が教えてくれた…野球が全てではない

「第3回くら寿司・トーナメント2022」と「第16回学童軟式野球全国大会 ポップアスリートカップ星野仙一旗争奪」を兼ねた大会の決勝戦が18日に神宮球場で行われ、岡山庭瀬シャークスが全国約1300にのぼる小学生軟式野球チームの頂点に立った。試合前には、独立リーグ・ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスに所属する川崎宗則内野手が始球式を務め、子どもたちに応援メッセージを伝えた。

 昨年の大会に続いて始球式のマウンドに上がった川崎は、サングラス姿のまま思い切り腕を振った。球速が表示されなかったことに、両手を広げておどけながら“不満”を表明。「速い数字が出やすいように、低めに投げました。高めだと抜けますから。来年は改めて140キロを目指したい」と苦笑した。

 さらにマイクを握ると、グラウンド上やスタンドの野球少年たちへ、熱を込めて語りかけた。「どうか楽しんで下さい。アンパイアはまず“プレーボール”と言いますよね。“始め!”とは言わない。“プレーボール”とは“ボールで目いっぱい遊びましょう”という意味です。最高の遊びを見せて下さい」

 試合終了後には、報道陣を前に「プレーボールの意味を僕に教えてくれたのは、ブルージェイズ時代のジョン・ギボンズ監督でした。僕がアメリカでいろいろなことを学んだうちの1つです」と説明。「小学生のうちから勝敗の責任を背負わず、目の前の野球をエンジョイしてほしい。野球はあくまで人生の一部で、学生生活の一部ですから。日本人は野球が全てという考え方をしがちですが、それではつらくなると思います」と話した。川崎がダイエー、ソフトバンクで12年間活躍した後で海を渡り、MLBのマリナーズ、ブルージェイズ、カブスでプレーした意義は、こういうところにもあった。

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