「街に出たら多分危ない」 護衛が常駐…元DeNA乙坂が政情不安の国でプレーした理由

ベネズエラでプレーする元DeNA・乙坂智【写真:本人提供】
ベネズエラでプレーする元DeNA・乙坂智【写真:本人提供】

夏のメキシコに続き、ベネズエラのウインターリーグに参加した乙坂智

 ベネズエラのウインターリーグで盗塁王のタイトルを獲得した元DeNAの乙坂智外野手。夏のメキシカンリーグに続き、冬も中南米を舞台に選び、1年間海外でのプレーを続けた。では、なぜ政情不安で、中南米の中でも特に治安が悪いと言われるベネズエラをあえて選んだのだろうか。そして、レベルの高いベネズエラでプレーし、何を感じたのだろうか。約2か月間のシーズンを終えた乙坂に話を聞いた。前編、後編と2回に分けてお届けする。

 ドミニカ共和国に続き、世界で2番目に多くの選手をメジャーに輩出しているベネズエラ。中南米ではドミニカ共和国、メキシコ、プエルトリコ、コロンビア、パナマ、ニカラグアなど各国でウインターリーグが開催されているが、ベネズエラのウインターリーグは、その中でも高いレベルを誇る。

 乙坂がプレーした「ブラボス・デ・マルガリータ」をはじめ、8チームが参加する同リーグにはメジャー経験のあるマイナーリーガーだけでなく、現役メジャーリーガーも参加。乙坂はそんな中で必死にもがいてきた。50試合に出場し、残した成績は打率.333(リーグ4位)、64安打(同8位)、16打点、15盗塁(同1位)、37得点(同5位)。各球団の外国人枠は5人で、ブラボスでは打者は乙坂1人だけ。結果が出なければすぐに代わりの選手がやってくる厳しい世界で、助っ人として十分な活躍をみせた。

「よりレベルの高い選手たちとやって成長したかった。だからウインターリーグはドミニカ共和国かベネズエラに行きたいと思っていたんです」

 乙坂は昨夏、メキシコでプレー。開幕直前にメキシコシティの強豪ディアブロスを戦力外となるも、レオンで定位置を掴み、シーズン途中にサルティージョにトレードで移籍。計78試合、打率.367、3本塁打、25打点、26盗塁と1番打者として結果を残したことが評価され、メキシコ・ウインターリーグの外国人ドラフトでもメヒカリから3位で指名を受けた。だが乙坂はすでに、2017、2018年冬に2年間、同国ウインターリーグのオブレゴンでプレー。2017年には打率.410という驚異的な数字を残しており、さらなるレベルアップを求め、新たな挑戦の地を探していた。

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