「街に出たら多分危ない」 護衛が常駐…元DeNA乙坂が政情不安の国でプレーした理由

高地メキシコでプレーして守備も向上「日本にいた時より上手くなった」

 1番打者として、相手投手のデータがない中での初回の打席は苦労も多かったという。

「球種の情報がない中で打席に入らなければならないのがつらかった。落ちる球はチェンジアップだけかなと思っていたら、追い込まれてからスプリットが来たり、スライダーが3種類あったり…。メキシコでは(審判の判定に対してリクエストができるように)どの球場でもベンチ裏にテレビがあるので、凡打した後は映像を見て変化球の軌道を確認できたんですけど、ベネズエラはどこの球場にもベンチ裏にテレビがない。他の打者が打っている時も、ベンチからだと横からしか見えないので軌道は分からないですけど、それでも情報を得るために、どの球種を投げているのか、目を凝らして見ていました。でも、最終的には自分の打席で肌で感じるしかない。観察、分析、振り返り……と研究の連続でした」。

 ウインターリーグは夏のリーグと比べて試合数が少なく、1勝の重みが違うため、ベネズエラを含め、どの国でも先発投手が5回までで降板するのが一般的だ。そのため、3打席目以降はリリーフ投手との対戦となることが多かった。

「リリーフはどの投手も98マイル(約158キロ)以上投げるので、先発投手を打てなかったら、6回以降は(リリーフの)化け物みたいなのが出てきて、彼らと対戦しないといけない。抑えだけでなく、中継ぎでもみんなそうなんです。だからなんとか先発投手からヒットを打とうと思っていました」。

 守備では、標高が高く、芝の環境が悪かったメキシコでの経験が生きたという。「メキシコは高地で気圧が低く、打球が飛ぶので、それに対応しようとやっていたら、守備も日本にいた時よりも上手くなった。メキシコでの感覚のままボールを追うと、ほぼ追いつける。ボールを追うスピードがメキシコに来て上がった。グラウンドの芝もボロボロでゴロの打球もイレギュラーするので、いい練習になりました」。実際、フェンスに体をぶつけて長打になりそうな打球を捕球するなど、守備でも何度もピンチを救った。

(Full-Count編集部)

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