「飛ぶバット」禁止で本塁打激減 元プロ監督は危惧も…大事にしたい“成功体験”

木製バットを使うイーグルスジュニアの選手【写真:川村虎大】
木製バットを使うイーグルスジュニアの選手【写真:川村虎大】

12球団ジュニアトーナメントで本塁打が昨年の約1/5に減少

 昨年末に開催された小学生軟式野球の日本一を決める「NPB12球団ジュニアトーナメント 2022 KONAMI CUP」は阪神タイガースジュニアの優勝で幕を閉じた。今大会からバットの規定が変わり、“飛ぶバット”の使用が安全面から禁止され、本塁打が前年の51本からわずか10本に激減。野球の醍醐味でもある本塁打が出にくくなったが、率いる監督たちからは肯定的な意見が飛んだ。

 複合バットの鈍い音が響いた2021年と違い、今年は乾いた金属音が寒空にこだました。昨年12月27日から3日間にかけて行われた同大会。ファイターズジュニアの竹内樹生くんが初日のスワローズジュニア戦でノーヒットノーランを達成するなど、“投高打低”の大会になった。

 前年の大会は、ほとんどの選手が芯の部分が柔らかいウレタン素材でできた複合バットを使用。その結果、大会最多の51本塁打、大会用に設置された柵を越え、神宮球場の観客席中段まで飛び込む本塁打も生まれた。選手たちからも「当てただけで飛んでいく」と他のバットと比較し、飛距離が出やすい指摘もあった。

 飛距離が飛ぶ分、打球速度も上がる。ましてや、全国トップレベルの小学生の集まり。鋭い打球は怪我や事故のリスクも高める。NPBでは安全の確保と、正しい技術の向上を目的とし、今大会からバットの規定を変更。木、木片もしくは竹の接合、金属に限定と変更され、全軟連の公認を受けていても、カーボンや複合バットは使用禁止になった。

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