盗塁&エンドラン時の二遊間の「ベースの入り方」 プロが教える日々の上達術

いきなり腰を切ってベースカバーに入ると打球に対応できない危険性も

 右手を腰の後ろに置いて、手をグルッと回していたという。ただし、けん制の時だけこの構えでは不自然なので、右手はいつも後方。こうした細かなところから、相手にサインプレーを見破られてしまうこともある。

 では、実際に一塁走者がスタートを切った時にはどう対処するか。「キャッチャーが捕ってから二塁ベース上にボールがくるまでに約2秒。2秒の間に、二塁ベースに入れる位置はどこか。自分の脚力を考えながら探します」。少年野球であれば、もう少し時間はかかるだろう。日々の練習から距離感を掴んでおきたい。

 二遊間の注意点としては「ランナーがスタートを切った瞬間に、体を切り返さないことです。シャッフル(サイドステップ)でポンポンと二塁ベースに近付き、打者が空振り(または見逃し)したのを見てから、腰を切って走っていく。いきなり、腰を切ると、ショートであれば三遊間の当たりに逆を突かれることになり、守備範囲が狭くなります。シャッフルを入れておけば、左右どちらの打球にもまだ対応ができるのです」と説明する。

 走者が走ったと分かった瞬間にどうしても二塁ベースに走りたくなるが、打者が打つ可能性があることを忘れてはいけない。シャッフルを入れたうえで、二塁ベースカバーに入れる守備位置はどこになるか。この位置を知ることが、上達の第一歩と言ってもいい。そう考えると、何となく流しがちなイニング間の二塁送球も、ベースカバーの実戦的な練習につながるはずだ。

(大利実 / Minoru Ohtoshi)

○著者プロフィール
大利実(おおとし・みのる)1977年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、スポーツライターの事務所を経て、フリーライターに。中学・高校野球を中心にしたアマチュア野球の取材が主。著書に『高校野球継投論』(竹書房)、企画・構成に『コントロールの極意』(吉見一起著/竹書房)、『導く力-自走する集団作り-』(高松商・長尾健司著/竹書房)など。近著に『高校野球激戦区 神奈川から頂点狙う監督たち』(カンゼン)がある。

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