投手だけやると「不器用」に 練習に偏り…小中学生で必要な“野球以外”の動き

ソフトバンクで投手コーチを13年間務めた倉野信次さん【写真:伊藤賢汰】
ソフトバンクで投手コーチを13年間務めた倉野信次さん【写真:伊藤賢汰】

倉野信次さんはソフトバンクで13年間指導、昨年は米国でコーチ研修

 高校生以降のステージで活躍するために、小、中学生の世代でどんな準備が必要なのか。ソフトバンクで投手コーチを13年間務め、2022年2月から10月まで米国で野球指導を学んだ倉野信次さんは「技術的な部分は、それほど必要ない」と話す。スケールの大きな投手になるには、投手以外の経験や動きが重要になるという。

 2021年シーズンまでソフトバンクで13年間、投手コーチをしていた倉野さんは毎年、数十人の投手を指導した。その中で、感じていることがある。

「小さい頃から、ずっと投手をやってきた選手の方が不器用なケースがあります。コントロールに苦労する選手も多いように感じます」

 小、中学生の時から投手専任の選手は知識や経験が多い。一方、練習内容が投手用に偏る部分があるため、体の使い方や指先の感覚が磨かれない場合があるという。内野手出身の投手と比べて、フィールディングや牽制、さらには天気やマウンドといった普段と条件が異なる状況の対応を苦手にする傾向がある。

 倉野さんは、成長期の小、中学生世代に必要なのは技術よりも運動能力と指摘する。骨の長さ、筋力、可動域などが変化すれば、体の使い方も変わってくるからだ。投手以外のポジションや野球以外のスポーツも経験して動きのバリエーションを増やすことが、先のステージの成長につながると考えている。

技術は運動能力を高めてから 身体能力伸ばす指導が主流の米国

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY