走者が出たら二遊間はどう守る? 元プロ名手が徹底解説…「最悪」を避ける思考法

ヤクルトなど3球団で活躍した大引啓次氏【写真:中戸川知世】
ヤクルトなど3球団で活躍した大引啓次氏【写真:中戸川知世】

大引啓次氏は主に遊撃でプレー オリックス、日本ハム、ヤクルトに所属

 失点を防ぐ絶対の方法はなくても、アウトを取る確率を上げることはできる。守備の名手で知られた元オリックス・大引啓次さんが、中学生や高校生に向けてポジショニングのポイントを3回にわたって伝授。2回目は、走者が1人いる時の守備を解説する。定位置や前進守備といっても、状況によって守る場所は変わってくる。

 オリックス、日本ハム、ヤクルトと3球団で主に遊撃手としてプレーした大引さんは、1球ごとに守備位置を微調整していたという。イニングや点差、走者と打者の足の速さや配球など、ポジショニングを決めるには様々な要素が関わってくる。

 例えば走者が一塁にいる守備でも、状況によって正解は変わる。ただ、基本的な考え方はある。無死または1死のケースでは併殺を狙って、二塁手と遊撃手は二塁ベース寄りを守る。その際、打席に引っ張る傾向のある右打者が立っていれば、遊撃手は三遊間に寄って、二塁手が二塁ベースに入る準備をした方がアウトを取れる確率は上がる。

 無死一塁では原則として、一塁手は走者にリードを大きく取らせないように一塁ベースにつく。だが、試合終盤で3点以上リードしているケースなどでは、一塁手はベースから離れて定位置を守る選択肢もある。一塁走者の生還よりも、安打でつながれる可能性を低くする方が勝利に近づけるためだ。大引さんは「最悪なのは1つもアウトが取れずピンチが広がることです。最悪な結果を避けるために、ベストなポジショニングを考えます」と説明する。

走者三塁のケース アウトカウントで前進守備の位置に違い

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