小学生で覚えたい“トスの技術” 元プロの名遊撃手が伝授…距離で使い分けた2種類

オリックス、日本ハム、ヤクルトで活躍した大引啓次さん【写真:中戸川知世】
オリックス、日本ハム、ヤクルトで活躍した大引啓次さん【写真:中戸川知世】

走者一塁で二遊間寄りの遊ゴロ…遊撃手に必要な二塁手が捕りやすいトス

 プロの世界では当たり前のように目にするダブルプレー。内野を守る小学生にとっては、憧れのプレーのひとつと言えるだろう。6-4-3、4-6-3を華麗に決められたら、チームのピンチを救えるはずだ。オリックス、日本ハム、ヤクルトで13年にわたって活躍した名遊撃手・大引啓次さんは「ダブルプレーを奪うには、状況に応じた投げ方を覚えることが大事」と説く。出演した野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の中では、現役時代に実践していた守備力強化ドリルを紹介している。

 走者が一塁にいる場合、大引さんはショートの定位置から左右どちらに打球が飛ぶかによって、スローイングの仕方を変えていたという。

「自分の体よりも左側、つまりは二塁ベース寄りに飛んだ打球は、セカンドにトスするようにしていました。トスのほうが確実で正確。セカンドも捕りやすい。おおよそですが、7メートルぐらいの距離であればトスで対応できます。小学生のうちからトスの技術を覚えることができたら、プレーの幅が広がるはずです」

「セカンドも捕りやすい」とはどういうことか。

「近い距離で上から投げられると、セカンドはボールの出所が見づらく、距離感もつかみにくくなるんです。これは、横から投げるときにも言えますが、6-4-3のときは投げるところをセカンドに見せてあげる。私の場合は左足を後ろに下げて、左足を開いて投げるようにしていました。極端な例ですが、インステップで投げてしまうと、セカンドは出所が見えずに、怖さを感じてしまいます」

 トスの場合は、自分の体を二塁ベースに向けなければ投げられないため、二塁手からするとボールの出所が見やすくなる。

近距離と離れた位置では異なる…2種類のトスを使い分ける方法

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