「鬼ごっこ」で自然に身につく野球の動き 子どもたちの練習に大切な“遊びの要素”
ダッシュや方向転換を楽しみながら強化…勝亦教授が考案した「ダイヤ鬼」
次のメニューもダイヤモンドの中だけを使う鬼ごっこ「ダイヤ鬼」。今度は鬼と逃げる役を分ける。逃げる役の子どもは3~4人で1つのグループをつくり、ホームから一塁、二塁、三塁とダイヤモンドを一周する。ただし、それぞれの塁間には行く手を阻む鬼がいる。
逃げる役は走るスピードに強弱をつけたり、方向転換を使ったりして、鬼のタッチをかわそうとする。一方、鬼はフットワークを使って、突破を阻止する。勝亦さんは鬼ごっこを野球に取り入れる理由を説明する。
「ただベースランニングをするだけでは、子どもたちは飽きてしまいます、鬼ごっこは楽しみながら、野球にも生きる様々な体の動きを身に付けられます」
「ダイヤ鬼」には、ダッシュや方向転換、相手との駆け引きなど野球のプレーにも生きる大切な動きが含まれている。そして、子どもたちが自らたくさん走る。鬼ごっこを楽しんでいるだけで、結果的にダイヤモンド5周分くらいの距離をあっという間にこなしている。
成長期の小学生は野球の技術習得以上に、動きのバリエーションを増やす時間が大切になると勝亦さんは考えている。「楽しい練習であれば、子どもたちは自分たちで様々な動きに挑戦します。走る練習も単調な内容だけではなく、遊びの要素を取り入れることが大切です」。昔ながらの遊びには運動能力を伸ばす要素が詰まっており、工夫次第で子どもたちは自然と走り出す。