子どもたちに「集中しろ」は逆効果 少年野球日本一監督が重視…飽きさせない工夫

選手に「飽きた?」と確認、「集中しろ」は逆効果

 そして、選手が話に耳を傾けなかったり、練習に集中力を欠いたりしている時は、指導者側に問題があるケースが多いと指摘した。指導者には子どもたちを引き付ける話術や練習の工夫が重要だという。

 大自然の中にグラウンドがある多賀少年野球クラブでは、選手たちが練習中に野球よりも昆虫に注意が向く時がある。選手を集中させようとするコーチに対し、辻監督は「コーチ、昆虫に負けてるよ」と声を掛ける。

「子どもたちが雑談を始めたり、別のことに関心を持ったりするのは、子どもたちが今の練習に退屈していると指導者が察した方がいいと思います。指導者は伝える力もすごく大事で、私は例え話や冗談を交える話術を磨く意識を持っています」

 伝え方や練習方法を工夫する辻監督だが、選手が飽きることはある。選手の様子を見て「飽きたか?」と聞いて「飽きた」と返答があれば、すぐに次のメニューへ移る。指導者には多彩な引き出しが必要と考えており「子どもたちは同じことの繰り返しが苦手です。指導者が『集中しろ』『自分がやるのを見てろ』というのは選手を集中させる練習にならないと思っています」と話した。

 選手が話を聞かない時や別のことに注意が向いている時は、選手に問題があるとは限らない。監督やコーチが自身の指導に改善すべき点がないか見直すことが、課題解決につながる可能性がある。

(First-Pitch編集部)

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