控え降格で反発…選手の“移籍騒動”も 少年野球日本一チームが求める保護者の役割
滋賀・多賀少年野球クラブはレギュラーと控えを分ける方針に転換
大幅なチーム方針変更は“事件”を引き起こした。滋賀・多賀少年野球クラブを率いる辻正人監督の新たな挑戦を4回に渡って紹介するシリーズ。3回目は序列をつける成果主義への方針転換によって表面化した問題を通じて、保護者の役割を考える。
辻監督は昨年10月、小学5、6年生を中心にしたトップチームをレギュラー組のAと控え組のBに分ける成果主義にチーム方針を転換した。1か月後、“事件”が起きた。6年生の試合に出ていた下級生の保護者が、チームの移籍を申し出たのだ。
この選手は上級生にあたる6年生主体のチームに出場していたが、調子が上がらず控え組に“降格”した。辻監督は「選手はAチームに戻ろうと頑張っていましたが、保護者が不満を感じていました。保護者には分からないチームの起用法に納得できなかったのだと思います」と話す。
辻監督は選手たちに対し、学年に応じた役割を求めている。チームの中心を担う6年生には、得点を生み出す打力や相手を圧倒する投手力などチームを勝利に導く活躍を期待する。一方、4、5年生は堅実な守備やつなぎの打撃など、6年生をサポートする確実性が起用する基準になっている。
「6年生に混ざって試合に出ている4、5年生が、6年生の抜けた新チームでも変わらず試合に出場できるとは限りません。学年が変われば、求める役割が変わるからです。同じ能力であれば、下級生を起用します」