控え降格で反発…選手の“移籍騒動”も 少年野球日本一チームが求める保護者の役割
子どもの控え降格で保護者が移籍希望…3日後にチーム復帰
保護者がチームの移籍を申し出た選手は、つなぎの役割に長けていた。また、試合の勝負所で力を発揮していたことから大舞台に強いと判断し、上級生の試合でも抜擢していたという。辻監督は「保護者は学年ごとに役割があることを知りません。自分の子どもが純粋な実力でポジションを勝ち取ったと勘違いしていたので、Bチームに落ちたことに納得できなかったのだと思います」と語った。
辻監督は、これまでも移籍する選手を快く送り出してきた。「多賀少年野球クラブで野球の楽しさを知って、他のチームで野球を続けてくれるのはうれしいですから」。全ての親子がベストと感じるチームはない。方針が合わないと感じた選手が、別のチームに活躍の場を求めることを歓迎している。
今回も、移籍を希望する保護者の意向を承諾した。そして、多賀少年野球クラブの保護者が登録するグループLINEで、選手の移籍を報告した。その3日後、辻監督に移籍を希望していた保護者から電話がかかってきた。「新しいチームは決まりましたか?」とたずねると、こんな答えが返ってきた。
「はい、決まりました。多賀少年野球クラブに入部させてください」
わずか3日で再入部。辻監督は歓迎し、再びグループLINEで他の保護者と共有した。中には「おかえり」「待っていた」というメッセージもあった。ただ、冷静に事態を見ていた保護者もいたと指揮官は指摘する。