親子の理想の距離感は? それぞれ異なる体の構造…“逆効果”になる経験の押しつけ
木村匡宏氏が重視する「パワーポジション」…親子でも力の入る姿勢に違い
大人の関わり方は子どもの成長に大きく影響する。少年野球からプロ野球まで幅広いカテゴリーの選手をサポートするトレーナーの木村匡宏さんが9日、オンラインイベントに講師として参加。少年野球の保護者や指導者らに、子どもへのアドバイスの仕方や距離感の大切さを説いた。
木村さんは都内にある複合型スポーツ施設「MTX ACADEMY」でチーフディレクターを務めている。小、中学生を指導する際には、保護者が同席することもあるという。
木村さんは、選手が最も力を出せる姿勢「パワーポジション」を重視している。パワーポジションは骨格などによって違いがあるため、親子だからといって特徴が同じとは限らない。その理解を欠くと、保護者が子どもに価値観を押し付けて、成長を妨げてしまう可能性がある。
野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベントで講師を務めた木村さんは、あるエピソードを披露した。息子の指導に熱心な父親から、悩みを相談された。その内容は、何度指摘しても息子がゴロを捕球する時に腰を落とせないというものだった。実際にゴロを捕る動きを見た木村さんは父親に、こう伝えた。
「息子さんとお父さんでは、体を安定させる体勢に違いがあります。息子さんは腰の位置が高いところから捕球に入っていった方がパフォーマンスは上がります」