試合は「良い球を投げる競争ではない」 元鷹コーチが指摘…投手が陥りがちな“失敗”

ソフトバンクで13年間投手コーチを務めた倉野信次さん【写真:伊藤賢汰】
ソフトバンクで13年間投手コーチを務めた倉野信次さん【写真:伊藤賢汰】

元鷹の投手コーチ倉野信次氏は入団1年目から千賀を指導

 2021年シーズンまでソフトバンクで投手コーチを務め、今シーズンはレンジャーズ傘下マイナーのルーキーリーグで育成コーチに就く倉野信次さんは、これまで何百人もの投手を指導。調子が悪い中でも結果を残せる投手には特徴があると指摘する。投手が対戦するのは打者であって「良い球を投げる競争をしているわけではない」と強調。マウンド上での心構えになどについて語ってくれた。

 今シーズンからメッツでプレーする千賀滉大投手をプロ1年目から指導するなど、ソフトバンクで投手コーチを13年間務めた倉野さんは、能力が高くても試合で結果を出せない投手に、ある特徴を感じている。

「理想のフォームや投球を試合で意識しすぎる投手は成績に波があります。投手は良い球を投げる競争をするわけではないので、試合では打者を抑えることに集中しなければいけません」

 選手は試合で結果を出すために技術を磨く。理想のフォームを追求し、何が足りていないのかを分析する。それ自体は必要だが、試合ではなく練習で考えるべきことだと倉野さんは指摘する。試合中に投球フォームを修正できる投手はプロでもトップレベルの一握りだという。

「絶好調で試合のマウンドに立てることは、めったにありません。調子が良くない中でも打者を抑える方法を考えられる投手は安定した結果を残せています。試合で戦うのは自分自身ではなく、相手打者です」

気迫につながる集中力…打者が打ち損じる確率アップ

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