罵声や暴力で「抑え込む」やり方は通用せず 高校野球の名将が実感「指導者も勉強せな」

生徒に問いかける「自分の目標に対し、もっと野球に向き合え」

 激戦区の兵庫で結果を残す青木監督には「勉強させてください」と、他府県から若い指導者が訪ねてくるという。高校球界のレベルアップを願って受けいれているが「よそで勉強もいいが、毎日見ている子を一番分かっているのは本人(指導者)。『よそがやってるから』じゃなく、自分のチームで発見することが一番大事。言い方は悪いが、自分の子どもたちを試すこともいいんじゃないかな」と提言する。

 高校野球はわずか2年半で終わってしまう。甲子園を目指す、プロ野球選手を目指す、憧れの学校でプレーしたい――。個々によって目標は様々だが、青木監督は「なぜ、高校野球をやっているのか?」と、生徒に問いかけている。

「やる理由は何でもいい。最近はよく『応援してくれる人に感謝』『親に感謝』という言葉をよく聞く。それは当たり前なんですよ。そこに逃げ道を作ったらいけない。自分の目標に向かって、もっと野球に向き合えと。言うてもまだ子ども、ある程度の管理は必要やと思う。努力、忍耐、そして最後はやっぱり根性かなぁ」

 今年9月で59歳になる青木監督。自らダンプカーを運転しグラウンドに黒土を入れる作業から始まった監督業は、今年で33年目を迎えた。時代と共に高校野球界は変化するが、指揮官の情熱は今も変わらない。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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