部活動の地域移行が強化に直結 野球経験ない顧問の元で県大会制した中学軟式チーム

ノーサインに方針変更…選手に生まれた自主性や考える力

 サインも一切やめた。選手たちは最初こそ戸惑っていたものの、目に見える変化が表れたと潟田さんは話す。「選手たちに考えさせて自立させる目的で始めたのですが、どんどん積極的になりました。指導者が選手のミスを叱らないようにすると、上手くなるためにはどうすれば良いか質問してくる選手が増えました」。

 チームは改革1年目に富山県大会で優勝。昨年も県大会で準優勝している。潟田さんは「顧問に野球経験がなくても子どもたち自身が考えてプレーすれば、チームは強くなると考えたことがノーサインにした理由の1つでした。子どもたちが実証してくれました」と語った。

 顧問はサインを出さず、代わりに練習試合では選手の打撃や投球フォームを撮影。選手が映像を見て修正点を確認している。それでも、顧問に野球の専門性がないことに不安を感じる保護者もいるため、トレーニングはプロのトレーナーに依頼しているという。小学6年生には定期的に中学の練習に参加してもらい、親子の安心感につなげている。その結果、今年度の中学1年生は近年で最も多い13人が入部している。

 子どもたちは意識の持ち方次第で自ら練習し、成長していく。部活動を移行する地域の人材探しは、野球の専門性にこだわる必要はないかもしれない。

(First-Pitch編集部)

少年野球指導の「今」を知りたい 指導者や保護者に役立つ情報は「First-Pitch」へ

 球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。

■「First-Pitch」のURLはこちら
https://first-pitch.jp/

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY