巨人がブルキナファソを対象にオンライン野球教室を開催 JICAと共催、日本からは約1万キロ

巨人女子チームの田中美羽とジャイアンツアカデミーの長谷川潤コーチ(左)、辻東倫コーチ(右)【写真:石川哲也】
巨人女子チームの田中美羽とジャイアンツアカデミーの長谷川潤コーチ(左)、辻東倫コーチ(右)【写真:石川哲也】

ジャイアンツアカデミーコーチの元巨人2選手らが指導役

 巨人は26日、国際協力機構(JICA)と共催で、アフリカ西部に位置するブルキナファソの選手を対象としたオンライン野球教室を開催した。今回のイベントは日本とブルキナファソをオンラインで結び、ジャイアンツアカデミーで元巨人選手の長谷川潤コーチ、辻東倫コーチ、巨人女子チームの選手で昨年のベースボールファイブ(B5)ワールドカップに日本代表として出場した田中美羽選手が指導に当たった。

 ジャイアンツ球場の室内練習場と、日本の支援により整備されたブルキナファソの首都、ワガドゥグの総合運動場が野球の絆で繋がった。その距離、約1万3400キロだ。このイベントはJICAとともに野球の国際普及、振興を進めてきた巨人が2022年1月に新たに締結した「開発途上国におけるスポーツ振興を通じた国際貢献のための連携協力協定」に基づく取り組み。アフリカでの野球教室開催は、2017年のタンザニアに続き2回目となる。ブルキナファソからはジュニアからシニアまで計68選手が参加した。

オンライン野球教室の様子【写真:石川哲也】
オンライン野球教室の様子【写真:石川哲也】

 加藤正明在ブルキナファソ日本大使、ブルキナファソ野球ソフトボール協会のシボレー会長らが出席した開会セレモニーの後、田中選手が15歳以下を対象にB5を指導。B5ならではの送球や打撃での素早い身体の動きを実演指導すると、今年5月に初の国際大会となるアフリカカップを控えているとあってブルキナファソの選手からは「ボールを打つときは手のひらを閉じたほうがよいのか、開いたほうがよいのか」「うまく打つためのトスのあげ方を教えてほしい」「打つときのステップのポイントは?」など次々と質問が飛び出した。

 打撃指導を辻コーチ、投球指導を長谷川コーチが担当。バッティングではバットの握り方からスイング、テークバック、間のとり方まで一連の動きを指導。最後にお手本としてトスバッティングを披露すると、選手たちは画面越しに食い入るように見つめた。ピッチングでは画面を見ながら長谷川コーチが投球フォームをアドバイス。肩に負担のかからないゼロポジションでのリリースや、前足の踏み出し方などを指導し、アウトローへコントロール良くボールが投げられるようになると、ブルキナファソの公用語であるフランス語で「セボン」(いいですねの意味)と声をかけた。

 今回のイベントを終え、巨人・倉俣徹振興部部長は「開会セレモニーに大使が出席するなど現地の期待の高さがうかがえました。選手たちも熱心で探求心があり、レベルも高く驚きました。海外での野球の普及活動は、日本の文化や教育を紹介する意味でも重要な取り組み。ジャイアンツアカデミーのメソッドがお役に立つならこれ以上の喜びはない。コロナも落ち着いてきたので、今後は中南米や太平洋諸島など現地での野球教室を再開していきたい」と話していた。

(石川哲也 / Tetsuya Ishikawa)

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