激戦区・神奈川を勝ち抜く鍵は? 日大藤沢・山本秀明監督が選手に求める“本気の熱”

山本秀明監督は元中日・山本昌氏を実兄に持つ【写真:大利実】
山本秀明監督は元中日・山本昌氏を実兄に持つ【写真:大利実】

全国V4度、門馬敬冶監督から受けた刺激…現在も連絡を取り合う

 門馬監督が岡山に行ってからも、連絡を取り合っている。間近で、門馬監督が作るチームを見られない寂しさはあるが、言葉のひとつひとつは今も心に残る。

「2年ぐらい前ですかね、門馬さんと食事をしているときに、『山ちゃんさ、継投とかもう関係ないでしょう。別に何を言われても、よくない?』と言っていました。そうだよなぁと。監督を長くやっていくと、負ける怖さがどんどん出てくる。そこをどれだけ吹っ切れるか。門馬さんと比べると、本気の温度がまだ低い。もっと本気になって、やるべきことを詰めていきたい」

 おぼろげながらも、見えている景色があるという。

「2019年夏の準決勝で、ずっと勝てなかった桐光学園に勝ったときから、近いうちに甲子園に行けそうな気がしていました。コロナで足踏みしてしまったところはありますが、現状に言い訳せずに、甲子園を本気で目指していけば、見えてくるんじゃないかなと。本当に、行けそうな気はしているんですよね」

 あとは、指揮官の想いがどこまで選手に伝わるか。そのためには、本気の熱を上げていくしかない。その先に、甲子園が見えてくる。

(大利実 / Minoru Ohtoshi)

○著者プロフィール
大利実(おおとし・みのる)1977年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、スポーツライターの事務所を経て、フリーライターに。中学・高校野球を中心にしたアマチュア野球の取材が主。著書に『高校野球継投論』(竹書房)、企画・構成に『コントロールの極意』(吉見一起著/竹書房)、『導く力-自走する集団作り-』(高松商・長尾健司著/竹書房)など。

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