“田舎町”の星に 部活動の地域移行…全国のモデルになりそうな中学軟式野球チーム

中丹オールスターズの審研人(あきら・けんと)監督【写真:チーム提供】
中丹オールスターズの審研人(あきら・けんと)監督【写真:チーム提供】

行政とも連携…部活動の地域移行はまちづくりのチャンス

 子どもたちがスポーツをする環境を整えるために不可欠なのが費用の問題。片野さんは「スポンサー集め」と「行政との連携」に奔走している。「地域に貢献したい、子どもたちのために行動したいと思っていても、何をしたら良いのか分からずに迷っている企業は多いです。部活動の地域移行について説明すると、賛同してくれます」。福知山ユナイテッドを創設して半年ほどだが、すでに10社以上とスポンサー契約を結んでいるという。

 行政の存在も大きな力となる。部活動支援、アスリートの育成、生涯スポーツの環境整備などは予算化した事業となり得る。また、市が管理している施設は練習場所や試合会場に活用できる。

 片野さんは部活動改革にハードルがあることを理解している。だが、決して悲観せず、地域を変化させるチャンスと捉えている。

「部活動の地域移行は、スポーツを活用したまちづくりにつながります。廃校が練習場所になれば、新しい出会いや交流が生まれます。他の地域から人を呼んで合宿や大会をすれば、観光にもスポーツを活用できます。日本には福知山市くらいの規模のまちがたくさんあるので、そういうまちの星になれたらと思っています」

 長年当たり前だった部活の形が変わり、軟式野球の競技人口が減少する不安の声が上がるのは理解できる。ただ、同じやり方を継続してきた結果、野球から離れる子どもがいるのも事実。部活動改革はピンチなのか、それともチャンスなのか。捉え方次第で、どちらにも転がる。

(First-Pitch編集部)

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