怒鳴る指導者は「チームをやめてくれ」 褒める方針に一変…部員倍増に成功のワケ

指導者の問題行動は保護者からNPOに報告…改善されない場合は“クビ”

 山崎さんは怒る指導を全面的に禁止し、褒めて育てる方針を掲げた。指導者の問題行動を見かけた時は、チームを運営するNPO法人「若潮スポーツ福祉を応援する会」に連絡するよう保護者に求めた。山崎さんは該当の指導者に改善を促す警告を出し、3回目の警告でチームをやめてもらう仕組みをつくった。内容次第では、一発アウトにもするという。

「チームの指導者には『今は怒る時代ではない。嫌ならチームをやめてください』と伝えています。実際、注意して直らなかった人にはやめてもらいました。怒鳴る指導は子どもたちだけでなく、保護者も傷つけます。大切に育てている子どもが怒鳴られて気持ち良い親はいません」

 チームを運営するNPO法人「若潮スポーツ福祉を応援する会」には7人の理事がいる。全員の連絡先が保護者に共有されているため、困った時は話しやすい理事に相談できる。相談窓口をチームの監督やコーチにしなかったのは、子どもに不利益が生じるリスクを回避するためだ。保護者から報告が入ると、理事会で情報を共有して対応を決める。

 西伊興若潮ジュニアでは現在、学年別にチームを4つに分けて、計12人の指導者がいる。指導者が集まって月に1回ミーティングをしていることも、怒声罵声の根絶につながっている。感情的になりそうな指導者がいると解決策を話し合い、問題発生を未然に防ぐ場としている。

褒める指導でメンバー倍増 選手の自主性向上でチーム力もアップ

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY