意外と知らない股関節の正しい位置 球速アップにも繋がる“ストッパー”の役割
股関節の柔軟性を高めると「力をより発揮できる」
股関節は動きの分岐点になる大切な役割を担う。年代別のトレーニングメニューを提案し、昨夏に全国制覇を果たした東京・上一色中の野球部などをサポートする塩多雅矢さんはその重要性を説く。股関節の正しい位置を理解してトレーニングすると球速アップにつながるという。
トレーニングコーチの塩多さんは、約20校の中学と高校で部活動をサポートしている。その1つが、東京・江戸川区にある上一色中の野球部。昨夏の全国大会で優勝した強豪だ。上一色中では投手コーチを務めており、選手には股関節が果たす役割の大切さを伝えている。20日に講師を務めた野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の会員向けオンラインイベントでは、こう話した。
「股関節は動きの分岐点になります。股関節を起点にする体の動きを理解することが大切で、柔軟性を高めて可動域を広くすると力をより発揮できるようになります」
右投手の場合、投球モーションでテークバックは右回り、フォロースルーは左回りになる。ただ、テークバックの時に上半身も下半身も右に回すと効果的に力を発揮できない。投げ終わりのフォロースルーも同じで、体の全てを左回りにすると力が逃げてしまう。
テークバックであれば全体としては右回りの動きをしていても、右の股関節は左に動かすイメージでストッパーの役割ができると力を溜め込めると塩多さんは話す。フォロースルーも股関節だけは右回りにして左回りを止める。股関節が体全体とは逆の動きをする分岐点となり、力を最大限に発揮できるという。