1番打者に重要な打席での心構え 最多安打経験者が実践した“はったり術”

オリックス、ヤクルトなどでプレーした坂口智隆氏【写真:荒川祐史】
オリックス、ヤクルトなどでプレーした坂口智隆氏【写真:荒川祐史】

NPB20年…坂口智隆氏が明かす打席での心構え

 打者はどんな気持ちで打席に入るべき? 近鉄、オリックス、ヤクルトで20年間プレーし、最多安打のタイトルを獲得するなど通算1526安打をマークした坂口智隆氏が小中高生の疑問に答える「教えて坂口先生」。今回は打席での心構えについて。

 練習で納得いく打撃ができても、いざ試合になれば結果が出ない。そんな選手も少なくないだろう。野球はチームプレーのスポーツだが、打席に入れば投手との1対1の勝負になる。坂口氏は「打席に入れば誰も助けてくれない。攻撃も守備も基本的には個々の勝負で勝つことが求められる」と指摘する。

 試合で打席に入る時には「僕はいつも緊張していた。それがなくなったら野球を辞める時だと思う」と明かす。どうすれば打てるのか、打席に入るのが不安になる。現役時代は常に緊張感を味わいながら打席に立っていたという。

「考えているうちが楽しい。それも野球の楽しみ。緊張している時はまだまだ成長できる証拠」

 坂口氏は主に1番打者として出場していた。チームの勢いをつける重要な打順を任されていただけに「アウトになるとしても、なり方を考えていた。中途半端では終わらないように」と説明。「野球は半分以上が失敗のスポーツ。打てないと思ったらしんどくなって後手を踏んでしまう。全てが受けの姿勢になると1番打者は分が悪い」と解説する。

「はったりでもいいから下を向かないこと。相手の球が速くても『そんなに速くない』『真っすぐを待っていればいける』という感じで。1番打者の結果がチーム全体に伝染することもあるので、時には“はったり”も必要です」

 練習の成果を出すには、打席での気持ちも重要になってくる。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY