負けても終わらない…選手が実感「チャレンジできる」 高校野球でリーグ戦を行う意義

ノックを打つ掛川西高・大石卓哉監督【写真:間淳】
ノックを打つ掛川西高・大石卓哉監督【写真:間淳】

高校野球のリーグ戦「Liga Agresiva」に静岡県では掛川西など3校参加

 大阪で始まった高校野球のリーグ戦「Liga Agresiva(リーガ・アグレシーバ)」は、静岡県にも広がっている。甲子園に春夏通じて9度出場している掛川西高も参加しており、チームを指揮する大石卓哉監督は「Liga」の独自ルールが選手の可能性を引き出すと感じている。

 大阪のNPO法人「BBフューチャー」が始めた「Liga Agresiva」は参加校が全国へ拡大し、静岡県でも掛川西、掛川東、沼津商の3校が昨秋から加わった。「Liga」はトーナメントが当たり前の高校野球にリーグ戦を取り入れ、米国製の金属バットや木製バットの使用、投手の球数や変化球の制限など独自ルールを設けている。

 静岡県の3校は対外試合が解禁された3月上旬、昨秋に続いてリーグ戦を開催した。「Liga」は大まかなルールを定めているものの、地域独自の方法を認めている。今回は春季大会が間近に迫っていることから、変化球は全ての球種を使い、投手の登板は1人最大3イニングまで。DH制はありで、リエントリーはなし。総当たり戦で必ず全ての選手を出場させるルールとした。

 負けたら終わりのトーナメントと違い、リーグ戦は多くの選手に出場機会が与えられる。さらに、敗れても次の試合に反省を生かす機会がある。掛川西の大石監督は「Liga」に参加してから選手のモチベーションが上がったと感じている。

「公式戦でベンチに入れないメンバーにも出場するチャンスがあるので、選手はLigaの試合で活躍するために自然と準備しています。指導者は選手に練習をやらせるという意識になりがちですが、試合の機会をつくれば選手は自ら練習します。試合に負けても、次があるという面も大きいですね」

 トーナメントは負けたら次の試合がないため、プレーを振り返ったり、反省したりする時間が少なくなってしまう。一方、リーグ戦は課題に取り組んで次に生かす場がある。選手が前向きに練習できることに加え、大石監督は「選手の良いプレーを見るようになりましたし、次に向けたアドバイスをしようという考え方に変わりました」と話す。

失敗恐れずにチャレンジ…リーグ戦の課題を意識して練習

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