負けても終わらない…選手が実感「チャレンジできる」 高校野球でリーグ戦を行う意義

失敗恐れずにチャレンジ…リーグ戦の課題を意識して練習

「Liga」で使用するバットは、低反発や木製をルールとしている。普段の金属バットのように飛距離が出ないが、大石監督は前向きに捉えている。「バットの芯に当てる技術を身に付けるために、ティー打撃では以前から木製バットを使っていました。低反発や木製で打球を遠くに飛ばせれば選手は自信を持てますし、大学、社会人といった上のレベルを目指す選手にとっては木製に慣れる機会にもなると思っています」。

 選手たちも「Liga」に参加するメリットを感じている。チームの中心を担う落合倭吹輝(いぶき)捕手は、3月の沼津商戦で木製バットを使って本塁打を放った。高校卒業後も野球を続けることを考えており「金属と比べて芯が小さくて狭い木製バットを積極的に使って慣れておこうと思っています。木製の方がヒットを打つ難しさはありますが、技術は身に付くと考えています」と語る。

 失敗しても次のチャンスが巡ってくるリーグ戦は選手の成長につながると感じている。落合は「トーナメントは失敗を恐れて消極的になってしまいがちです。Ligaは負けても終わりではないのでチャレンジできますし、自分のプレーやチームの課題を反省して、目的意識を持って練習に取り組めます」と話した。

 指導者も選手も意義を感じている「Liga Agresiva」。参加から半年が経ち、大石監督が感じている課題は日程調整にある。時期的にベストな秋は各地方の大会が多い。また、年間を通して練習試合を組んでいるケースもあり、今後チーム数が増えていけば、今以上に調整が難しくなる。

 固まった一定の期間でリーグ戦をするのは今の段階では現実的ではないため、掛川西、掛川東、沼津商の3校は2023年度、8月、11月、3月の年3回に分けて試合を組もうとしている。「形にとらわれず柔軟に対応できるところもLigaの良さなので、より良い方法を探していきたいと思っています」と大石監督。高校野球の常識や形にとらわれず、選手が成長する場をつくっていく。

(間淳 / Jun Aida)

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