指導者の一言で「ピンチがチャンスになる」 子どもたちに浸透させたい“本物のプラス思考”
プレッシャーのかかる場面ほど「選手がワクワクする声をかけてほしい」
絶体絶命のピンチの場面で、指導者は選手にどんなアドバイスを送るべきか? リトルリーグなどで約20年指導者として活動した人気の野球講演家・年中夢球(ねんじゅう・むきゅう)さんは「本物のプラス思考と、偽物のプラス思考が存在する」と指摘する。
守備なら得点圏に走者を背負った場面、打撃ならビハインドで迎えた最終回の攻撃――。“本物のチーム力”は、追い込まれた状況下でこそ問われる。極限の状態でもプレッシャーに負けず、普段通りの力を発揮することは容易ではない。
野球に限らずスポーツ全般はプラス思考が良いと考えられているが、年中夢球さんは「本物と偽物がある。チャンスの時は声が出るが、ピンチになると急に声が出てこない。これが偽物のプラス思考です」と指摘する。
一方で本物のプラス思考は、ピンチの場面でも「このために練習してきた」「ワクワクが止まらない」といった声が出るチーム。指導者も同様で、ピンチの場面で「絶対に抑えろ」といった言葉が、選手たちのパフォーマンスを下げる原因になるという。
「プレッシャーのかかる場面ほど、選手がワクワクする声をかけてほしい。『この場面のために練習をいっぱいやってきたよな』とか。私はチャンスはチャンス、ピンチもチャンスと伝えてきた。指導者の一言でプラスに変えることができるかもしれません」。指導者のアドバイス一つで、子どもたちが自信を取り戻し、逆境を跳ね返す力を与えることができる。
(First-Pitch編集部)
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