ひと冬で超進化…「強打の隼人」復活へ 140人を束ねる主将の“忘れられぬ”打席

春季神奈川大会準々決勝の勝利に喜ぶ横浜隼人ナイン【写真:大利実】
春季神奈川大会準々決勝の勝利に喜ぶ横浜隼人ナイン【写真:大利実】

強豪私学を次々撃破「厳しい試合をモノにすることで力が付いていく」

 菊地には、今も忘れられない、というよりも、野球人生が続くかぎり忘れられない場面がある。昨夏の横浜との5回戦。9回裏、同点に追いついたあと、なおも1死満塁の絶好のチャンスで打席が回ってきた。犠牲フライでもサヨナラの場面だったが、1ボールから内寄りのストレートを打ち上げ、浅いセンターフライ。その後、延長10回に勝ち越され、2-4で敗れた。

「この冬、ずっとバットを振り込んできた自信はあります。同じ場面がきたら、外のストレートに張って、右中間にはじき返したい」

 水谷監督にとっても脳裏に深く焼き付いている場面だ。

「状況を考えると、アウトコースのストレートに張れる場面。右方向を狙えば、外野フライ(犠牲フライ)になりやすい。そこまで丁寧に声をかけたうえで、打席に送り出すべきでした。ああいう場面だからこそ、監督として声をかけてあげるべきだったと、今でも悔いています」

 この春の横浜隼人は、初戦から武相(12-4)、三浦学苑(12-2)、平塚学園(4-1)、立花学園(8-1)と、私立との対戦が続いた。抽選を引いた菊地は、「やってしまった……と思った」と笑うが、結果的には最高の組み合わせになった。

「私学が集まったゾーンを勝ち上がる中で、一戦一戦、成長しているのは間違いありません。厳しい試合をモノにすることで、力が付いていく。菊地が、いいクジを引いてくれました」(水谷監督)

スローガンは“千紫万紅”「個性を集結させて、彩り豊かなチームを」

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