ひと冬で超進化…「強打の隼人」復活へ 140人を束ねる主将の“忘れられぬ”打席

スローガンは“千紫万紅”「個性を集結させて、彩り豊かなチームを」

 今春から声出し応援が解禁となり、横浜隼人の迫力のある声援も戻ってきた。ユニホームがそっくりの阪神タイガースのチャンステーマを中心に、アップテンポの曲で選手たちを後押しする。

 3年ぶりの声出し応援は、指揮官にとっても感慨深いものがあった。

「いやぁ、いいですね、やっぱり。これぞ、神奈川という感じがします。うちは応援がすべてなので。相手のベンチに刺さるような応援をしてくれる。相手の監督によく言われるんです。『隼人の応援は刺さります!』って。グラウンドにいる選手も、応援の想いをわかってやってくれている。みんなが一枚岩になり、一体となって戦うのが横浜隼人の野球。うちは、『綱引き野球』ですから」

 スタンドもベンチもグラウンドも、同じ気持ち、同じ熱量で戦っている。

 毎年1月に決めるスローガンは、『千紫万紅』(せんしばんこう)。菊地ら上級生が中心となって考えた造語で、「ひとりひとりの個性を集結させて、彩り豊かなチームを目指す」という意味が込められている。

 5日の準決勝の舞台は、昨夏の横浜戦以来となる横浜スタジアム。選抜出場校の慶応に挑む。勝てば、神奈川開催の関東大会出場が決まる。

(大利実 / Minoru Ohtoshi)

○著者プロフィール
大利実(おおとし・みのる)1977年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、スポーツライターの事務所を経て、フリーライターに。中学・高校野球を中心にしたアマチュア野球の取材が主。著書に『高校野球継投論』(竹書房)、企画・構成に『コントロールの極意』(吉見一起著/竹書房)、『導く力-自走する集団作り-』(高松商・長尾健司著/竹書房)など。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY