バウアーは何が凄い? 井口資仁氏が分析…ダルビッシュを想起させる超一流の投球術

バウアーや鷹オスナは日本の選手にとって「最高の手本」

 ロッテの監督だった昨季、2019年にアストロズでセーブ王となったロベルト・オスナ(現ソフトバンク)が加入しました。メジャー155セーブの実績を持った現役バリバリの投手。でも、彼は決しておごることなく、常に日本の野球に対してリスペクトを示してくれました。

 自分で考えながら練習・調整を進めることはもちろんですが、彼ほどチームの輪を強く意識する選手を見たことはありません。チームの練習メニューを全てこなした後で自分の練習をし、野手が打撃練習中は外野をひたすら走ったり球拾いをしたり。外国人選手は特別扱いされがちですが、飛行機での移動も全てチームと同じ便に乗り、みんなと同じチームスーツを着ていました。

 起用に関しても「チームが勝つためにいるのだから、連投であれ、どの場面で何イニング投げるかであれ、全部ボス(=監督)の決定に従う」と話し、空き時間には自らコミュニケーションをとって、若手選手と一緒にビデオを見ながらクセの直し方を教えたり、練習方法や考え方についても教えてくれたので、我々は非常に助かりました。

 やはり、日本のレベルの高さが認められているからこそ、バウアーやオスナは韓国や台湾ではなく、日本でプレーしている。サイ・ヤング賞投手やセーブ王のプレーを間近で見られているのだから、投手も打者も日本の選手たちはそこから学び、吸収しなければいけない。彼らが野球と向き合う姿勢は本当に真摯なので、一緒にやっている選手たちは「こういう選手だから素晴らしい成績を残せているんだ」と体感していると思います。彼らは「いい手本」ではなく「最高の手本」ですから。

 バウアーは次回、9日巨人戦での先発が予定されているようです。今度はどんな投球術を見せてくれるのか、楽しみにしておきましょう。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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