成長期に“反復練習”はNG 打撃15分、投球20分…怪我防止を徹底する強豪ボーイズ

群馬県高崎市の中学硬式チーム「高崎中央ボーイズ」【写真:加治屋友輝】
群馬県高崎市の中学硬式チーム「高崎中央ボーイズ」【写真:加治屋友輝】

高崎中央ボーイズの選手は短時間で多くのメニューをこなす

 体の発達が顕著な中学生。過度なトレーニングは怪我を引き起こすリスクをはらむ。4日に閉幕した「メニコン杯 第26回日本少年野球関東ボーイズリーグ大会」で中学生の部4強に進出した高崎中央ボーイズは、故障防止を第一に考えた練習メニューを組んでいる。

「中学生は身長が伸びる時ですので、根性野球はやりません。走り込み、投げ込み、打ち込み……骨が弱い時期の反復練習は膝、肘、腰、足首などを怪我する恐れがあります」。そう語るのは倉俣徹監督。米国でスポーツ医学の修士号や全米公認アスレチックトレーナーの資格を得たエキスパートだ。

 選手たちは短い時間で多くのメニューをこなす。フリー打撃、ティー打撃などは15分ずつ。自主練習での素振りも強要しない。キャッチボールは20分。ブルペンでの投球は20分と定め、シート打撃での投球も10分、もしくは12分と設定する。「1分間で5球投げるとして10分で50球。打者7〜8人に投げたところで交代させます」。

 体形が変化するとバランス感覚が崩れて、それまで可能だったことができなくなると指摘。「身長が急激に伸びると、出力やバランスが崩れます。中学生はできたことができなくなる年代です」と説明する。だから、無理をさせることは禁物だという。

 中学年代の選手を指導する上で重視するのは走力の強化。“倉俣メソッド”により、50メートル走は3年間で約1秒の短縮を見込めるそうだ。「小学生で7秒5なら速い方。そうした選手が6秒5くらいになる。高校で6秒2くらいになりますね」。怪我をさせないことを第一に、上のカテゴリーで活躍できる選手育成に取り組んでいる。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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