基本動作でも「できないプロ野球選手もいる」 初心者が上達する“フライの捕り方”

現役時代にヤクルトで活躍した飯田哲也さん【写真:荒川祐史】
現役時代にヤクルトで活躍した飯田哲也さん【写真:荒川祐史】

元ヤクルトの飯田哲也さんが伝える初心者への教え方

 現役時代に走攻守3拍子揃った外野手として活躍した飯田哲也さんはゴールデングラブ賞を7度受賞、打撃では通算1248安打をマーク。1990年代に黄金時代を築いた“野村ヤクルト”の1番打者として欠かせぬ存在だった。現在は野球評論家として活躍する傍ら、少年野球の指導なども行っている。初心者の子どもたちに教える際のポイントについて教えてくれた。

 野球初心者の子どもたちはどうしたらボールを怖がらずにフライを捕れるようになるのか。飛んで来るボールに恐怖を感じないように、飯田さんは工夫を凝らす。まずはワンバウンドでキャッチする感覚を子どもたちが得られるように努める。

「フワッと投げて、ワンバウンドしたところで捕るようにします。ノーバウンドでは後ろに逸らしてしまう子でも、ワンバウンドなら難易度は下がります。ボールの軌道を見てキャッチする感覚がつかめるようになってきます」

 これにもう一つミッションを加える。「走って捕ってもらいます」。ワンバウンドし、落ちてきたところを走り寄ってキャッチする。動きながら捕る感覚も養える。これができたところで、徐々に距離を伸ばしていく。そして、ボールへの恐怖心がなくなったところでノーバウンド捕球に切り替える。捕球の際のグラブの位置は顔の横が基本。離れてしまうと困難になるので要注意だ。

 ボールを投げる時は、踏み出す足(右投げなら左足)が着いた時には、投げる腕が上がっているように指導する。強くて正確な送球をするための基本だといい、「これができないプロ野球選手もいます。癖がつくとなかなか直らない。小さい時に正しい投げ方を身につけてほしい」と訴える。

 バッティングでは「一番力が入るところで打ちましょう」と強調する。初心者は足を突っ張らせた状態で打つことが多いといい「それでは力が入りません」。イメージさせるのは“綱引き”。踏ん張った状態になり、上半身とのバランスが取れるようになる。「下半身が使えないと強く振れません」。分かりやすい言葉で飽きさせず、子どもたちを導いている。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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